味覚をほぼ破壊し尽くされた人間でないと食べることができないというあの曰くつきのイギリス料理に匹敵する料理を持つ唯一の国。イタリア人やフランス人が食べてのた打ち回るイギリス料理を平然と食べ、「うちのかかあの作るメシはもっとマズいぞ、うまいじゃないか!」というフィンランド人のおっさんも珍しくない。イギリスはフィンランドを「心の友」の友好国と見做しているらしい。
寒冷な気候や、峻厳な教育、隣国に「おそロシア」があることなど、不幸な環境に長く我慢しているうちに味覚が退化したとも考えられている。しかしそれよりももっと深刻なのは近年凄まじい勢いで広がって味覚をダメにしているのがキシリトールである。パンでもサラダでもスープでも肉でも魚でもキシリトールが入ってないとダメらしい。トナカイの肉もキシリトールをまんべんなくまぶして仕上げるのが礼儀である。「かあさん、わしの好きなキシリトールが入ってないじゃないか、わしがあれほど入れておけといったのに!」と怒るオヤジはフィンランドの名物でさえある。
この地に住み着いた日本人が純日本料理レストラン「かもめ食堂」を経営して結構繁盛しているのは謎である。またこの店で「ムーミンの肉」として売られているものが実はカバの肉ではないかという疑惑が持ち上がっている。